もの補助事業計画書の書き方
その1 「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善の具体的な取組内容」の書き方
1)会社概要
①当社の事業内容
当社の事業内容について説明します。まったく知らない人に当社のことを知ってもらう必要があるため、写真や表など丁寧に説明しましょう。会社のHPくらいに説明が必要です。
②当社の強み
「自社の特徴」や「これまで顧客から評価されたこと」を記入します。この当社の強みを活かした補助事業になっているかが後で問われますから、ここで強みを打ち出すことが非常に重要です。
2)事業の背景
① 外部環境
現在当社が事業を行っている業界、取引先の状況などについて書きます。当社の市場がどうなっているかどのような変化をしてきているかを記入します。
② 内部環境
当社の直近の状況について記入します。当社が外部環境の影響を受けてどのような状況にあるのかを記入します。
③ 経営課題
外部環境を受けて、内部環境の問題を克服するためにこのようなことに取り組む必要があるということを記入します。
3)本事業の実施事項
本事業において取り組む内容を記載します。ここでは新規性、革新性が問われます。これが一番難しいところです。単なる設備の導入、入れ替えでは通りません。新たにという言葉を入れるのがポイントかもしれません。また設備を導入する場合には設備のスペック、現状の設備との性能比較も合わせて記載します。図や比較表などを使うとわかりやすいです。
4)12分野との関連性
特定ものづくりの基盤技術の高度化に関する指針の、どの技術を使ってどのような顧客ニーズを満たし、どのような高度化目標を達成していくのかを記入します。国が進めている政策と合致していて、政策の推進にもこのように寄与しますと記載します。
5)事業を実施する上での技術的課題とその解決策及び目標
新しい設備を導入すれば生産性は基本的に高まります。設備を導入したとしても当社にはこうした技術的課題が残り、それらを解決するためにこのような形で実施します、目標はこうした目標を立てますという内容を記載します。
① 技術的課題
当社に設備を導入したのちに残る技術的課題を記載します。
② 解決策
具体的にこのようにすることによって技術的課題を解決するという解決策を記載します。レイアウト変更、従業員教育、治具の開発など。
③ 目標値
これらを行うことによりこうしたことが可能になりますという目標を記載します。
6)本事業を遂行することで得られる優位性(効果・メリット)
本事業を実施することによる競合企業との比較や既存事業との比較を記載します。表などを使うとわかりやすくなります。またQCDを入れると抜け漏れが無くなります。
7)本事業の実施体制
①社外との協力体制②社内の実施体制
図などにしてわかりやすく説明します
③当社の技術能力
十分に技術能力があることを資格などをもとに記載します。
8)事業遂行のスケジュール
①スケジュール表(事業完了、通常運行までのスケジュール)
②具体的な実施事項
誰が何を行うかを記載します。ガントチャートなどを使うとわかりやすくなります。技術的課題の解決策についても記載します。
9)当社の財務状況と資金調達方法
①財務状況
問題があれば問題についての理由とその解決策を記載します
②資金調達方法
何処から資金を調達するのか、融資先が決まっていれば融資先についても記載します。
その2「将来の展望」の書き方
1)市場の動向
これから事業が向かおうとする市場について記載します。市場調査を十分に行っていることを示すためにも、細かな数値根拠を見つけることが必要になります。表やグラフなども活用します。
2)顧客の動向
市場で発生しているニーズについて記載します。これらのニーズがあり当社の技術がマッチするため、今後も成長していくことが見込めますというところにつなげます。
3)事業化に向けての取組み
①事業化のスケジュール(今度は5ヵ年程度の長期計画になります)
②具体的な取組み内容
1年目:設備導入~新製品開発
2年目:既存顧客へのサンプル納入
3年目:製品の改善及び既存顧客への営業
4年目~:新規顧客開拓
などと年度ごとに主として行っていく計画を記載します。これもガントチャートがあるとわかりやすいです。
4)損益計画
① 売上推移
補助事業単体のものです。個数・単価などに分解するとわかりやすくなります。
②原価・経費推移
これらをまとめて表にして記載します。数値の根拠も記載します。
まとめ
いつも書いてることは同じですが
・ストーリー性を持つこと(起承転結)
・強みのことを忘れず活用した解決法にする
・課題の設定を適切に行う→新規性、新たな取り組み
・まったく業界知識のない人でも読めるよう書く(専門用語の排除)
・図や写真を盛り込んで、言葉だけで説明しないようにする
・公募要領をよく読む(加点項目注意)
かれこれ20件くらいのもの補助申請に絡んでいたと思います。落ちたのは5件なので採択率は70%越えというところでしょうか。その70%越えを支えてきたのがもの補助の書き方です。是非ご活用ください。